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【遺留分Q&A-13】遺留分の算定方法

遺留分の算定方法を教えて下さい。

 

くり子ちゃん
1 遺留分の額は、「被相続人が相続開始の時に有していた財産全体の価額にその贈与した財産の価額を加え、その中から債務の全額を控除して遺留分算定の基礎となる財産額を確定し、それに同法1028条所定の遺留分の割合を乗じ、複数の遺留分権利者がいる場合は更に遺留分権利者それぞれの法定相続持分の割合を乗じ、遺留分権利者がいわゆる特別受益財産を得ているときはその価額を控除して算定すべきものであり、遺留分の侵害額は、このようにして算定した遺留分の額から、遺留分権利者が相続によって得た財産がある場合はその額を控除し、同人が負担すべき相続債務がある場合はその額を加算して算定するものである」とされています(最判平成8年11月26日)。

2 具体的な事例に基づいて説明します。

・相続人は、A(妻)、B(長男)、C(二男)の3名

・相続開始時の遺産額・・・合計6000万円

・相続人への生前贈与額・・・A:200万円、B:300万円、C:2000万円

・遺言による贈与・・・C:3000万円、非相続人D:1000万円

・被相続人の債務・・・500万円

3 上記の事例で具体的に計算していきましょう。

相続開始時に有していた財産を確定し、評価額を出す(評価基準時は相続開始時)→6000万円

加算される生前贈与を確定し、評価額を出す(評価基準時は相続開始時)→A:200万円、B:300万円、C:2000万円

控除される相続債務額を確定し、評価額を出す(評価基準時は相続開始時)→500万円

(①+②-③)により遺留分算定の基礎財産総額を確定する→8000万円

④に遺留分割合を乗じて、各人の遺留分額を算定する
A:8000万円×1/4=2000万円

B:8000万円×1/8=1000万円

C:8000万円×1/8=1000万円

⑤から生前贈与の額を控除する
A:2000万円-200万円=1800万円

B:1000万円-300万円=700万円

C:1000万円-2000万円=-1000万円(よって、Cは遺留分権利者ではない)

A、Bが特定遺贈及び相続させる遺言により取得した財産の額を控除する(本事例ではなし)

遺留分権利者が相続開始時の被相続人の財産から取得した額を控除する

ア みなし相続財産(①+②+③+④)→8500万円

イ 各相続人の具体的相続分

A:8500万円×1/2-200万円=4050万円

B:8500万円×1/4-300万円=1825万円

C:8500万円×1/4-(2000万円+3000万円)=-2875万円(よって、Cは相続により取得できない)

ウ 各相続人の相続開始時の被相続人の財産からの最終的取得額を控除する。

A:4050万円÷(4050万円+1825万円)=0.6894

(6000万円-4000万円)×0.6894=1378万8000円

B:1825万円÷(4050万円+1825万円)=0.3106

(6000万円-4000万円)×0.3106=621万2000円

よって、ここでの控除は以下のとおりとなる。

A:1800万円-1378万8000円=421万2000円

B:7000万円-621万2000円=78万8000円

遺留分権者が負担すべき相続債務の額を加算する

A:421万2000円+(500万円×1/2)=671万2000円(←Aの遺留分侵害額)

B:78万8000円+(500万円×1/4)=203万8000円(←Bの遺留分侵害額)